20080721
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ハイペースで書いていかないと、きっと力尽きる…そんな予感があるのでがんばってます。
ストーカー並に通い詰めるサイトさんも休止とか、あるいは超絶お忙しそうなので声をかけるのも憚られるのですが、そうなると…うちもいつでも閉鎖できるように長編だけは終わらせようぜ!みたいな。
自分で自分の尻に火をつけてみました。
カウンタが回ってるから、多分誰かは読んでいる、……かも知れないし、入るなりUターンして読んでないかもしれない。そんなことをぼんやり考えては、考えないように首を振っています。
ストーカー並に通い詰めるサイトさんも休止とか、あるいは超絶お忙しそうなので声をかけるのも憚られるのですが、そうなると…うちもいつでも閉鎖できるように長編だけは終わらせようぜ!みたいな。
自分で自分の尻に火をつけてみました。
カウンタが回ってるから、多分誰かは読んでいる、……かも知れないし、入るなりUターンして読んでないかもしれない。そんなことをぼんやり考えては、考えないように首を振っています。
バットスーツからビジネススーツに着替えたブルースは自分の寝室の窓に浮かんだ爽やかな笑顔に眉を寄せた。
「あ、ブルー…」
「帰れ!」
バルコニーで膝を抱えて帰りを待っていた超人に足早に近付き、勢い良くカーテンを閉めた。
「え、えええ?ぼく、何か君を怒らせたかい?」
「スーパーマンは嫌いだ」
握り締めたカーテンを放すと、ブルースは不機嫌に眉を寄せたままシャツを脱ぎ捨てた。恐る恐るカーテンの隙間から顔を覗かせたケント氏は目を丸くして、それから全裸に近いブルースから逃げ出した。
「ご、ごめんよ!」
「アルフレッド!」
バスルームからブルースが叫ぶと老執事は音もなく現れ、真っ赤になって頭を抱えるケント氏を邸内に招きいれた。
「気安い仲の方としても窓からのご訪問というのは感心しませんね」
「すみません…」
「アルフレッド!」
「おやおや。アヒルがご入用のお年ではございませんでしょうに、何か不足がございますか?」
「不足はない。でもその男はいらない」
「ではこのアルフレッドめが頂戴してもかまいませんな。お茶など差し上げましょう。ケント様」
ばちゃんと大きな水音がブルースの不愉快を伝えたが、執事は眉ひとつ動かさず、白いブルースの残像に立ち直れないケント氏を引きずって退出した。
さて、とクラークを振り返った執事は彼の寄れたスーツを上から下までみて眉を寄せたが、コメントは控えた。毎日超人に脱ぎ捨てられていては縫製が歪んでも仕方あるまい。できればぼっちゃまのお友達にはもう少し紳士としての外見を整えていただきたいものだが、人柄との天秤にかければこの程度は致し方あるまい。
「今日の主人はご機嫌斜めですが、ふやける頃にはもう少し上向きに修正されましょう」
「すいません。見るつもりはなかったんですけど…」
「うら若いご婦人でなくてようございましたね」
一時間は入られますから、とアルフレッドはクラークにキュウリのサンドイッチと紅茶を供したが、十五分ほどでバスルームへと迎えにいった。
「ぼっちゃま、骨折しているのですから長風呂はいけませんよ」
返事がないので扉を開ける。ブルースは溺れても、寝てもいなかったが、アルフレッドを見ても何もいわなかった。そうはいっても、むせ返るほどの薬草の匂いに、悪臭ではないとはいえ一歩下がってしまう。蓬と松が主に配合された薬湯は日本から取り寄せたもので打撲と外傷に効くそうだが、森林の香りにくつろぐ主人とは別にアルフレッドは未だに慣れない。
「……スーパーマンは嫌いだ」
「はて。わたしくめがお茶を差し上げましたのはケント様でございますが」
しれっと答えてアルフレッドはバスローブを広げた。黙ってそれに包まれ、ブルースは自分の匂いを嗅いだ。
「蓬臭いな…」
「湿布臭いよりはましですよ。ご婦人とお休みになられるわけではないのですから、我慢なさいませ」
「スーパーマンがバットマンを助けたそうだ」
ブルースが拗ねた声でいうと、アルフレッドは目を細めた。
「ほほう。それでは礼もいわずに立ち去ったことでしょうね、ゴッサムの蝙蝠は」
「そうだろうな、捻くれものだからな」
「ぼっちゃまはそんな輩とは違いますからな」
うんうんとわざとらしく頷く執事に、ブルースは口をへの字に曲げ、それから階下に向かって叫んだ。
「クラーク!来い!」
「それがご友人を招く言葉ですか」
呆れた執事はバスルームを片付けに行き、階段を駆け上がってきたクラークはやっぱり短い気がするブルースのバスローブに目を彷徨わせた。濡れた黒髪。血の巡りがよくなり、つやつやとした肌、まとったバスローブは水を含み、しっとりとブルースの体に添って――居た堪れなくなったクラークは床に視線を落としたまま、もじもじと手をこすり合わせた。
「ケント君。先ほどの無礼は謝ろう。だがわたしはスーパーマンに寝室で待つことなど許していない」
「ごめんよ。その、どうしても君の顔が見たくなって」
「なぜ?」
「ゴッサムを通りかかったら、ジョーカーが暴れてて、それにバットマンにも出会ったんだけど、でも、その。僕にとってゴッサムって君なんだ。上から見てたらすごくきらきらしてて、きれいで、それで、触れたくなった。今までゴッサムはぼくにとってただのきらびやかな都市のひとつだったけど、でも今は君がいる。君に触れることができる」
クラークは手を伸ばす振りをしたが、しかし本当に手を伸ばしたら後戻りが出来なくなることは承知していたので、苦い笑いにすべてを溶かし込んだ。
「ごめん」
ブルースは眉を寄せたまま聞いていたが、デキャンターからグラスを取り上げた。
「家で酒はあまり飲まないが」
ウィスキーを指一本分。グラスを渡して、ブルースはソファに腰掛ける。最初にこの平凡で、同時に世界で唯一の男にちょっかいを出したのは自分なのだから、譲歩すべきなのだろう。陽気な大富豪ならばそうすべきだ。
この場合、ブルースは相手の感情は置いていく癖があった。執事は漏れ聞こえる会話に溜め息をもらし、クラークは戸惑った視線をグラスとブルースの間で彷徨わせた。
「それで相子にしよう」
にこりと微笑まれて、クラークは幸せで、それからちょっぴり苦い涙を呑んだ。
-------------------------------
結構真面目に告白したつもりなのに気づいてもらえない男、ケント氏。
「あ、ブルー…」
「帰れ!」
バルコニーで膝を抱えて帰りを待っていた超人に足早に近付き、勢い良くカーテンを閉めた。
「え、えええ?ぼく、何か君を怒らせたかい?」
「スーパーマンは嫌いだ」
握り締めたカーテンを放すと、ブルースは不機嫌に眉を寄せたままシャツを脱ぎ捨てた。恐る恐るカーテンの隙間から顔を覗かせたケント氏は目を丸くして、それから全裸に近いブルースから逃げ出した。
「ご、ごめんよ!」
「アルフレッド!」
バスルームからブルースが叫ぶと老執事は音もなく現れ、真っ赤になって頭を抱えるケント氏を邸内に招きいれた。
「気安い仲の方としても窓からのご訪問というのは感心しませんね」
「すみません…」
「アルフレッド!」
「おやおや。アヒルがご入用のお年ではございませんでしょうに、何か不足がございますか?」
「不足はない。でもその男はいらない」
「ではこのアルフレッドめが頂戴してもかまいませんな。お茶など差し上げましょう。ケント様」
ばちゃんと大きな水音がブルースの不愉快を伝えたが、執事は眉ひとつ動かさず、白いブルースの残像に立ち直れないケント氏を引きずって退出した。
さて、とクラークを振り返った執事は彼の寄れたスーツを上から下までみて眉を寄せたが、コメントは控えた。毎日超人に脱ぎ捨てられていては縫製が歪んでも仕方あるまい。できればぼっちゃまのお友達にはもう少し紳士としての外見を整えていただきたいものだが、人柄との天秤にかければこの程度は致し方あるまい。
「今日の主人はご機嫌斜めですが、ふやける頃にはもう少し上向きに修正されましょう」
「すいません。見るつもりはなかったんですけど…」
「うら若いご婦人でなくてようございましたね」
一時間は入られますから、とアルフレッドはクラークにキュウリのサンドイッチと紅茶を供したが、十五分ほどでバスルームへと迎えにいった。
「ぼっちゃま、骨折しているのですから長風呂はいけませんよ」
返事がないので扉を開ける。ブルースは溺れても、寝てもいなかったが、アルフレッドを見ても何もいわなかった。そうはいっても、むせ返るほどの薬草の匂いに、悪臭ではないとはいえ一歩下がってしまう。蓬と松が主に配合された薬湯は日本から取り寄せたもので打撲と外傷に効くそうだが、森林の香りにくつろぐ主人とは別にアルフレッドは未だに慣れない。
「……スーパーマンは嫌いだ」
「はて。わたしくめがお茶を差し上げましたのはケント様でございますが」
しれっと答えてアルフレッドはバスローブを広げた。黙ってそれに包まれ、ブルースは自分の匂いを嗅いだ。
「蓬臭いな…」
「湿布臭いよりはましですよ。ご婦人とお休みになられるわけではないのですから、我慢なさいませ」
「スーパーマンがバットマンを助けたそうだ」
ブルースが拗ねた声でいうと、アルフレッドは目を細めた。
「ほほう。それでは礼もいわずに立ち去ったことでしょうね、ゴッサムの蝙蝠は」
「そうだろうな、捻くれものだからな」
「ぼっちゃまはそんな輩とは違いますからな」
うんうんとわざとらしく頷く執事に、ブルースは口をへの字に曲げ、それから階下に向かって叫んだ。
「クラーク!来い!」
「それがご友人を招く言葉ですか」
呆れた執事はバスルームを片付けに行き、階段を駆け上がってきたクラークはやっぱり短い気がするブルースのバスローブに目を彷徨わせた。濡れた黒髪。血の巡りがよくなり、つやつやとした肌、まとったバスローブは水を含み、しっとりとブルースの体に添って――居た堪れなくなったクラークは床に視線を落としたまま、もじもじと手をこすり合わせた。
「ケント君。先ほどの無礼は謝ろう。だがわたしはスーパーマンに寝室で待つことなど許していない」
「ごめんよ。その、どうしても君の顔が見たくなって」
「なぜ?」
「ゴッサムを通りかかったら、ジョーカーが暴れてて、それにバットマンにも出会ったんだけど、でも、その。僕にとってゴッサムって君なんだ。上から見てたらすごくきらきらしてて、きれいで、それで、触れたくなった。今までゴッサムはぼくにとってただのきらびやかな都市のひとつだったけど、でも今は君がいる。君に触れることができる」
クラークは手を伸ばす振りをしたが、しかし本当に手を伸ばしたら後戻りが出来なくなることは承知していたので、苦い笑いにすべてを溶かし込んだ。
「ごめん」
ブルースは眉を寄せたまま聞いていたが、デキャンターからグラスを取り上げた。
「家で酒はあまり飲まないが」
ウィスキーを指一本分。グラスを渡して、ブルースはソファに腰掛ける。最初にこの平凡で、同時に世界で唯一の男にちょっかいを出したのは自分なのだから、譲歩すべきなのだろう。陽気な大富豪ならばそうすべきだ。
この場合、ブルースは相手の感情は置いていく癖があった。執事は漏れ聞こえる会話に溜め息をもらし、クラークは戸惑った視線をグラスとブルースの間で彷徨わせた。
「それで相子にしよう」
にこりと微笑まれて、クラークは幸せで、それからちょっぴり苦い涙を呑んだ。
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結構真面目に告白したつもりなのに気づいてもらえない男、ケント氏。
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はじめまして!
軽さま
こんにちは!
ここ数日連日のようにおじゃましておりました。最近このジャンルにはまった初心者ですが、幅広い視点でお話を創作されていらっしゃるのが楽しくてとっても勉強になりました!(白様のお話や、ケントファミリーのお話、もちろんクリプトとカーラちゃんも!にニマニマにていました)
屋上の箱入り坊ちゃまが、超人さんと幸せになる日を楽しみにまたお邪魔させて頂きますね!
こんにちは!
ここ数日連日のようにおじゃましておりました。最近このジャンルにはまった初心者ですが、幅広い視点でお話を創作されていらっしゃるのが楽しくてとっても勉強になりました!(白様のお話や、ケントファミリーのお話、もちろんクリプトとカーラちゃんも!にニマニマにていました)
屋上の箱入り坊ちゃまが、超人さんと幸せになる日を楽しみにまたお邪魔させて頂きますね!
わー!こんにちは!
よくぞこんな辺境までお越しくださいました!
最近はまられたのですか。こんなカテゴリ分けのよくわからないサイトで申し訳ないです。でも嬉しいな。アメコミって何か人口少ないですよね…イベントとか行かないからかな?
好き勝手書いているうえにたまに自分で続き忘れたりするのですが、楽しんでいただけたら幸いです。今朝、「あ~…ワンパターンだから詰まんないんだろうな…」と自分でへこんでおりました分、身に染みます(涙)
(いやあ…好きなんですよ、超人×大富豪が…。あんまりバットマンとかロビンとか出なかったりするんですが、SB以外のスラッシュは書けませんがみんな大好きです)
コメントありがとうございました!
最近はまられたのですか。こんなカテゴリ分けのよくわからないサイトで申し訳ないです。でも嬉しいな。アメコミって何か人口少ないですよね…イベントとか行かないからかな?
好き勝手書いているうえにたまに自分で続き忘れたりするのですが、楽しんでいただけたら幸いです。今朝、「あ~…ワンパターンだから詰まんないんだろうな…」と自分でへこんでおりました分、身に染みます(涙)
(いやあ…好きなんですよ、超人×大富豪が…。あんまりバットマンとかロビンとか出なかったりするんですが、SB以外のスラッシュは書けませんがみんな大好きです)
コメントありがとうございました!