20080721
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エルスまではいかないんではないかというネタで、
縮んだブル様と大人クラさんです。
書いてみただけで捻りもオチも、何もありません。お誕生日なんで幸せそうなことを祈ります。
「クラーク!」
ウォッチタワーに入るなり飛びついてきたのは、小さな小さなバットマンで、とっさに受け止めたまではいいが状況が飲み込めず、スーパーマンは立ち尽くした。
「え、と。ブルース??」
ぎゅうとしがみ付くのをはがすと、小さなバットマンは小さなカウルの下から、あのブルース特有の不機嫌な目でクラークを睨みつけた。
「遅い!ばかもの!」
待ってたのに、とは言わなかったが、しかし待っていたのだろう。寒いハンガーにずっと潜んでいたのか、随分と体が冷たい。
しかしバットスーツから装備から体から何から何まで、推定年齢は三、四歳なのに、中身はいつものブルースらしい。これは何かの陰謀か、それとも――、
「呪いよ」
通路の奥から現れたワンダーウーマンの言葉にスーパーマンは瞬きした。
「やっぱり?今度はどこの魔術師の恨みを買ったの?」
「というか、失敗したのよ。呪いをかけるのに」
ワンダーウーマンはハンガーに立ち尽くすスーパーマンを手招きして、場所を移した。
「さっきフラッシュにからかわれて、バットマンが拗ねてしまって」
「それでハンガーに隠れてたの?」
抱っこしたままカウルを覗き込むと、幼児はぷいと顔を逸らした。
「前回より小さいよね」
「そうね、前は五歳ぐらいだったわね」
ミーティングルームにはフラッシュの姿はなく、ジョンジョンとホークガールが座っていた。
「おかえり」
ホークガールが手を振り、スーパーマンはにこりと笑みを浮かべると、当然のようにブルースを膝に乗せた。
「それで、どうして彼がまた縮んじゃったのかな?」
子ども扱いされても抵抗しないバットマンにホークガールは驚いたが、そんなことには構っていられないほど、ブルースは傷心だったのだ。
前回のように大人だったことも忘れてしまっていれば悩まないだろう。だが今は違う。ブルースは大人の男で、不断の努力によってバットマンであったのだ。それがいまやただの小さな人間の男の子で、ウェイン・マナーに帰ろうにもジャベリンのコックピットにさえ手が届かない。
フラッシュに大笑いされても、頬っぺたをぷにぷにされても、されるがままで抵抗も出来ない。
ブルースは情けなくて涙が出そうだった。
「今日、変な魔法使いが別の世界からやってきて、帰るように説得にあたったバットマンを逆恨みして、言ったの。『最も無力なるべし』って。で、たまたま通りすがりの魔女が『もっとも最強なるべし!』って逆呪文かけたのね。それで結果がこれ」
一緒にいたホークガールが説明して、肩を竦める。魔法なんてJLの守備範囲外だ。過去にワンダーウーマンにかけられた呪いを解いたのもバットマンだし、そっちの方面に知識のある彼がこれほどまでに打ちひしがれているのだ。簡単に解決方法を見つけられるような気がしない。
「しかし変な魔法使いと通りすがりの魔女って…」
「魔法使いの方は元の世界に押し戻したし、侵入経路はジョンジョンが塞いでくれたんだけど」
「魔女のほうは、わからない」
ジョンジョンは表情の読めない顔で、小さなバットマンの後頭部を見つめた。ホークガールの視線が嫌だったのか、バットマンはスーパーマンの膝の上で180度方向転換をして、彼の鳩尾に額をくっつけている。
「どこからきて、どこへ行ったのか。去り際にもう一度「あらゆる呪いはセオリーどおりに」と言っていたが、どういうことだろうか」
ジョンジョンは単純にバットマンが眠気と闘っていることに気づいて、立ち上がった。人間の幼児についての資料を読まなくてはならない。昼寝というものが必要と聞いたことがあるが、それはどのぐらいの長さなのだろう。
「まあ、無力っていうのがどの辺に効いたかは、この大きさだからわかるとして、最強ってどこ?」
ホークガールが容赦なく突っ込むと、ワンダーウーマンは微笑んだ。
「それは見たらわかるんじゃなくて?」
睡魔に負けた幼児にメロメロになっている地球最強の男に気づき、ホークガールは物悲しい気持ちになった。
それからブルースが元に戻るまで一週間。元に戻ってから二週間。ウォッチタワーにバットマンが現れることはなく、またスーパーマンも気持ちの悪いぐらいに上機嫌だったとか。
--------------------------
まあクラさんはセオリー通り、王子様役をやってくれると思いますよ。
幼児をあちこち連れまわして、保護者気分を堪能してから。
魔女は、呪いを曲げたりすり替えたりはできるけれど、解くことはできないという感じで。適当です、はい。
ウォッチタワーに入るなり飛びついてきたのは、小さな小さなバットマンで、とっさに受け止めたまではいいが状況が飲み込めず、スーパーマンは立ち尽くした。
「え、と。ブルース??」
ぎゅうとしがみ付くのをはがすと、小さなバットマンは小さなカウルの下から、あのブルース特有の不機嫌な目でクラークを睨みつけた。
「遅い!ばかもの!」
待ってたのに、とは言わなかったが、しかし待っていたのだろう。寒いハンガーにずっと潜んでいたのか、随分と体が冷たい。
しかしバットスーツから装備から体から何から何まで、推定年齢は三、四歳なのに、中身はいつものブルースらしい。これは何かの陰謀か、それとも――、
「呪いよ」
通路の奥から現れたワンダーウーマンの言葉にスーパーマンは瞬きした。
「やっぱり?今度はどこの魔術師の恨みを買ったの?」
「というか、失敗したのよ。呪いをかけるのに」
ワンダーウーマンはハンガーに立ち尽くすスーパーマンを手招きして、場所を移した。
「さっきフラッシュにからかわれて、バットマンが拗ねてしまって」
「それでハンガーに隠れてたの?」
抱っこしたままカウルを覗き込むと、幼児はぷいと顔を逸らした。
「前回より小さいよね」
「そうね、前は五歳ぐらいだったわね」
ミーティングルームにはフラッシュの姿はなく、ジョンジョンとホークガールが座っていた。
「おかえり」
ホークガールが手を振り、スーパーマンはにこりと笑みを浮かべると、当然のようにブルースを膝に乗せた。
「それで、どうして彼がまた縮んじゃったのかな?」
子ども扱いされても抵抗しないバットマンにホークガールは驚いたが、そんなことには構っていられないほど、ブルースは傷心だったのだ。
前回のように大人だったことも忘れてしまっていれば悩まないだろう。だが今は違う。ブルースは大人の男で、不断の努力によってバットマンであったのだ。それがいまやただの小さな人間の男の子で、ウェイン・マナーに帰ろうにもジャベリンのコックピットにさえ手が届かない。
フラッシュに大笑いされても、頬っぺたをぷにぷにされても、されるがままで抵抗も出来ない。
ブルースは情けなくて涙が出そうだった。
「今日、変な魔法使いが別の世界からやってきて、帰るように説得にあたったバットマンを逆恨みして、言ったの。『最も無力なるべし』って。で、たまたま通りすがりの魔女が『もっとも最強なるべし!』って逆呪文かけたのね。それで結果がこれ」
一緒にいたホークガールが説明して、肩を竦める。魔法なんてJLの守備範囲外だ。過去にワンダーウーマンにかけられた呪いを解いたのもバットマンだし、そっちの方面に知識のある彼がこれほどまでに打ちひしがれているのだ。簡単に解決方法を見つけられるような気がしない。
「しかし変な魔法使いと通りすがりの魔女って…」
「魔法使いの方は元の世界に押し戻したし、侵入経路はジョンジョンが塞いでくれたんだけど」
「魔女のほうは、わからない」
ジョンジョンは表情の読めない顔で、小さなバットマンの後頭部を見つめた。ホークガールの視線が嫌だったのか、バットマンはスーパーマンの膝の上で180度方向転換をして、彼の鳩尾に額をくっつけている。
「どこからきて、どこへ行ったのか。去り際にもう一度「あらゆる呪いはセオリーどおりに」と言っていたが、どういうことだろうか」
ジョンジョンは単純にバットマンが眠気と闘っていることに気づいて、立ち上がった。人間の幼児についての資料を読まなくてはならない。昼寝というものが必要と聞いたことがあるが、それはどのぐらいの長さなのだろう。
「まあ、無力っていうのがどの辺に効いたかは、この大きさだからわかるとして、最強ってどこ?」
ホークガールが容赦なく突っ込むと、ワンダーウーマンは微笑んだ。
「それは見たらわかるんじゃなくて?」
睡魔に負けた幼児にメロメロになっている地球最強の男に気づき、ホークガールは物悲しい気持ちになった。
それからブルースが元に戻るまで一週間。元に戻ってから二週間。ウォッチタワーにバットマンが現れることはなく、またスーパーマンも気持ちの悪いぐらいに上機嫌だったとか。
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まあクラさんはセオリー通り、王子様役をやってくれると思いますよ。
幼児をあちこち連れまわして、保護者気分を堪能してから。
魔女は、呪いを曲げたりすり替えたりはできるけれど、解くことはできないという感じで。適当です、はい。
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