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20080721
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立て続けにミラーとキリ番を自分で踏んでしまった自分になんか複雑な気持ちです。いや、特にキリ番でどうこうもしてないんですけど。(昔一回だけ募集したんですが、誰も何も言ってこなかったので、それから二度としてません…/寂)

一応、クラブル…と思って書いてふと気づいたのですが、この話、別に友情でもかまわなかったんだなあ…(苦笑)

 時間が巻き戻せるなら、あのときの君に手を差し伸べるのに。

「ブルース」
名を呼ばれてブルース・ウェインは目を背けたまま「何だ」と答えた。いつものコスチュームをぼろぼろにして帰ってきたスーパーマンに、アルフレッドは主人のセーターを貸してやったのだが、やはり胸周りが少しきつそうだ。そういう小さなことも何もかも気に入らない。
「ブルース」
重ねて呼ばれて、ブルースは眉間にしわを刻んだまま、ダークグレーのセーターを着たクラークに向き合った。前髪が下りているのにスーツではないクラークは、少しだけ違和感を残す。クラークは微笑んだ。
ブルースはわかっているのだろうか。己の眼差しに、泣き出しそうな色があることを。
「ただいま」
「……ここはお前の家ではないぞ」
「だけれども、帰ってきたい場所だよ。いいだろう?」
ブルースは自分でも意地の悪い言い方だと思ったのだろう、クラークの問いには答えなかった。
ただ伸ばされた腕は拒まず、抱き寄せられるままになる。クラークは疲弊した心が再び鼓動を打つ思いがした。
コナー。彼がいうように過去には戻れないし、スーパーマンが全ての子供を救えるわけではない。スーパーイヤーでも声なき悲鳴は聞こえないし、鋼鉄の体があったとしても人知れず暗闇で傷つき、二度と日向に出てこられない子供たちを助けられない。
「ごめん。君に言われたのに、半端に放り出してしまった」
「エメットか。バーバラに頼んだから大丈夫だろう。……たぶん」
「バーバラ。バットガールかい?」
ブルースはクラークの肩口に預けていた頭を起こすと、クラークの瞳を見据えた。
その透明な深い青にクラークは見入ってしまう。冬の海か、それとも夜明け前の空か。ブルースの虹彩はクラークのそれとは違って色が深いが、しかし暗く沈むことはない。
「バーバラのクラスメイトにエメット家で世話になっていた少女がいるそうだ。コナーは彼女達のヒーローで、最も誇らしい兄だと言っていたそうだが、コナー自身は彼女達の養父母を憚ってあまり会いに行かなかったらしい。エメット家の保護した児童のその後を調べたが、ゴッサムに残っているのはその少女だけのようだ」
「そうか。なら他人のわたしよりも、その少女に頼むほうがいいのかも知れないね」
ほう、と深い溜め息が漏れ、ブルースはそれを契機にするりとクラークの腕から抜け出した。
「わたしが、紅茶を入れてやろう」
クラークをソファに押しやり、ブルースは部屋を出て行ってしまう。それがブルースの甘えてしまったことへの照れ隠しだと気づいて、クラークは自分も頬を染めた。
「……敵わないなあ、君には」

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