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クラブルですが、同衾しとるだけです。短いです。
ただ起きたときどうなるか、うちの超人はナチュラルに鬼畜なので容易に想像つきますねえ…。
落ちる。
黄土色の世界。わたしは足を踏み外す。
落ちる。落下する。世界は白く色を変え、しかし不透明で、地面がない。
――激突する。
びくりと震えて目を覚ますと、すぐにクラークの太い腕が絡みついてきた。
わたしの鼓動は早く、力強く血が流れるのが体中で感じられる。クラークの腕に力がこもる。
二人とも声を発さない。クラークは目を閉じたまま、暗闇にも長い睫毛が感じられる。
室内は暗く、まだ夜明けは遠い。わたしの鼓動はやや速度を落とし、汗がゆっくりと体を冷やす。
熱いシャワーでも浴びて、思考を切り替え、もう一度朝まで眠ればいい。だがクラークの腕を解けない。じとりとした感覚が不愉快なのに、この腕から抜け出して、バスルームに向かうことが、ひどく大儀だ。
クラークの手がゆっくりとわたしの後頭部に回り、胸に額を押し付けられる。クラークの心音。ひどくゆっくりとした鼓動。生き物が打つ鼓動は決まっているという話を聞いたことがあるかクラーク。鼓動の感覚が長い生き物ほど長生きをするのだという説を。それなら君は、いやわたしは、きっと先に死ぬだろう。
あんまりにも不確かで自分の立つ足元が見えないのだ。
クラーク。
頭でっかちのわたしを笑え。そしていつかそのときがきたら――。
クラークの指がわたしの髪を梳く。ゆっくりとした鼓動がわたしをもう一度眠らせようとする。彼の閉じた目蓋がわたしを許し、わたしは顔をずらして彼の鎖骨の下辺りに唇を寄せた。
君にわたしが刻み付けられたらいいのだが。
らしくない感傷に泣き出す前に、わたしは再び眠りに落ちた。