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20080721
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 わたしはブルースはお風呂は1人で入ると思ってる派ですが、特に理由がなくそうしていたらいいなと思ってます。というかぼったまにはあんまり肉体的な恥じらいという概念がないといいなと思ってます(何の告白?)




 一緒にお風呂に入りたい!と涙目のクラークに宣言されたブルースは二度瞬きをし、それから訝しげに首を捻った。いま、会話の流れはそんなだっただろうか。二人の生活様式の違いがアルフレッドという緩衝材が挟まれぬホテルという場において顕著になり、そして唐突にクラークが爆発したのだ。
「何故?」
「君とお風呂であれやこれやしたい」
「だがお前と一緒に風呂に入ったらバスタブで足が伸ばせないじゃないか」
ブルースはバスルームに視線を投げ、立ち上がってバスルームを確認に行った。
メトロポリスリッツのスイートルームといえど、バスタブは大人一人を想定して作られている。長身のブルースが足を伸ばせばそれでお仕舞いだ。ふと大男が二人もはいって、この金の猫足が耐えられるのかも気になって、底を覗く。風呂底は床と接地していて、重量的にはいけそうだ。
ふとブルースは真剣に考えている自分に気付いて、おかしくなった。
「お前が温泉に行きたいなら考えてもいいが」
「それとこれとはちょっと違う。……温泉も行きたいけど」
「どう違うんだ?」
最初こそ勢いがあったものの、ブルースがあんまりに普通に応対するので、どんどん猫背になっていくクラークは見ていて可哀想なぐらいだが、ブルースは何故なのかわからず小首を傾げる。
不意にクラークは立ち上がった。
「――ぼくは、きみとただいちゃつきたいだけなんだ!」
「そんなに胸を張って宣言するようなことなのか?」
「君はすぐそうやってはぐらかす」
「そんなつもりはない。ただそう思ったから口にしただけだ」
不満げな顔で詰め寄ってくるクラークに、ブルースは半歩後退り、そしてそんな自分に気付いてムッとした。
「クラーク」
視界に影が差すほどに近づいたクラークにタックルをして、抱きつく格好になったブルースはにやっと笑った。
「ぶ、ブルース?!」
「別に風呂じゃなくてもいいんだろう?」
驚くクラークの鼻を摘むと、くぐもった抗議とも同意とも取れる呻きがあり、息苦しさに開いた口をブルースはさらに唇で塞いだ。
「……っ、はっ!き、きみはぼくを殺す気かい?」
鼻を摘んでいたブルースの手を剥がすと、クラークは悲鳴を上げたが、しかしブルースからのキスという思わぬ僥倖に顔は蕩けそう、対するブルースも悪戯が成功してご機嫌で微笑んだ。
「いや、じゃれてるだけだが?不満か?」
「もう一回キスしてくれたらお風呂は諦めるけど、でもどうしてそんなに嫌なの?」
「ホテルの風呂は配管で下層階に音が漏れる」
気密性の高い最上階のスイートルームといえど配管は下へと伸びている。室内には聞こえなくとも、真下の階で風呂に入ってる人間には断片的に聞こえるかもしれない。
「じゃあ君の屋敷ならいいかい?」
「アルフレッドがいるからダメだ」
「ぼくんちは?」
「お前の家はベッドルームでさえ音が漏れるじゃないか!」
これ以上機嫌を損ねないうちにとクラークはついばむようにキスをし、じゃれることに専念することにした。 

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