20080721
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ケント夫妻で、ピーター卿@貴族探偵パロディです。っていっても、レディ・ピーターの「私、バンターと結婚したらよかった!」というワンシーンだけ。バンターさんはピーター卿の男前の執事(正しくは紳士お傍付き紳士)なのですが、ああ、そんな台詞言わせてみたいわ…と思ったらその先は勝手に転がっていってしまいました。
告白しますと、わたしの中でバンターさん強化月間なのです。すみません。
あとあとあと、ロイスと超人が結婚した事実は知っていますが、ずばりその号は読んでいません。ごめんなさい。
「おめでとうロイス」
「意外だけど、納得よ」
「幸せになってねロイス」
友人たちから次々と祝福のキスを受けて、ロイスは笑顔で車に乗り込んだ。純白のウエディングドレスはシンプルなスタイルだが、ヴェールは刺繍の細やかな上品で華やかなものだ。それを風になびかせ、ロイスはハネムーン代わりの小旅行に向かうことになった。
行き先は、スモールビルだ。
お互いがんばって三日しか休暇が重ならないことに気づいた真新しいケント夫妻は、どこか国内のホテルでのんびりしようか、とドライに考えていたのだが、それを知った社主がうん十年使ったことがない別荘がスモールビルにあるからそこへ行けばいいと提案したのだ。
「そうすればクラークはロイスを故郷に案内できるし、ロイスはニュースに追われてハラハラすることもないだろう?」
ブルースは笑い、そして式に参列できないことを重ねて詫びた。
「本当にブルースっていい人」
ロイスは膝に抱えたベールを弄りながら、過ぎ行くメトロポリスの街並みを振り返る。運転するクラークはこれ以上無いほどのにこやかな表情で同意した。
「ブルースは最高だよ。意地っ張りだけど優しいしね」
「賢くて優しくて男前でお金持ち!――私、ブルースと結婚すればよかった!」
わっと泣き真似をしてベールに顔を埋める新妻に、クラークは慌てるでもなく、太平楽な笑顔で頷いた。
「なら、両手に花だなあ」
愛するロイスと大好きなブルースだ。超人の脳内ではブルースとロイスが結婚するイコール、クラークと離婚という公式は成り立たないらしい。ロイスは新郎に冷たい視線を向けると、溜め息とともに眉間のしわを伸ばした。
「しかもブルースは私を愛してくれているのよ」
「僕も愛しているよ、ロイス」
「私がブルースと結婚したら、彼ぜったいあなたを受け入れないわよ?」
「えええええ!そう?そうなの??」
シートベルトをかっちりとしめた花嫁は乱れたハンドルさばきの影響も最小限に留め、冷静に指摘した。
「クラーク。あなたあの真面目なブルースの性格からして、妻に不誠実な行いをするはずないでしょう?」
「ああああ、そうかあ!そうだよねえ……。………。………。あれ?」
クラークはハンドルを変形するほど握り締め、恐る恐るロイスをみた。
「あの、もしかして、気づいてる、の?」
「あなたがブルースと深い仲なのは前から知っているわ」
「ええええええ!」
クラークの頭の中は浮気をしているという事実よりも、ブルースに殺されるということでいっぱいで、それを見たロイスは溜め息をついた。
「私がブルースを選んだら、ブルースは絶対二度とあなたとそんな関係にならないわ。でも、私があなたと結婚したら、あなたそんなの気にしないでしょう?」
「うん。考えたこともなかったよ。ブルースが気にするから君に言わなかっただけだし。君は世界で一番大事な女性だし、ブルースは大好きな人なんだ」
もう知られているなら隠すこともないのだと思うと急にクラークは生き生きとし、ロイスはブルースに同情した。
きっとあの真面目な男は悩んで悩んで、落ち込んでいるに違いないのだ。彼は禿げたら私ではなく、このクリプトニアンの所為だと言わないと、とロイスは執事への言い訳を色々と考えた。
それからハイウェイでガソリンが切れるまでロイスはブルースのどこが可愛いかを延々と聞かされ、結婚初日にロイスは本気で離婚を考えたが、しかし一生懸命段取りしてくれたブルースに申し訳なく、思いとどまったのだった。
「意外だけど、納得よ」
「幸せになってねロイス」
友人たちから次々と祝福のキスを受けて、ロイスは笑顔で車に乗り込んだ。純白のウエディングドレスはシンプルなスタイルだが、ヴェールは刺繍の細やかな上品で華やかなものだ。それを風になびかせ、ロイスはハネムーン代わりの小旅行に向かうことになった。
行き先は、スモールビルだ。
お互いがんばって三日しか休暇が重ならないことに気づいた真新しいケント夫妻は、どこか国内のホテルでのんびりしようか、とドライに考えていたのだが、それを知った社主がうん十年使ったことがない別荘がスモールビルにあるからそこへ行けばいいと提案したのだ。
「そうすればクラークはロイスを故郷に案内できるし、ロイスはニュースに追われてハラハラすることもないだろう?」
ブルースは笑い、そして式に参列できないことを重ねて詫びた。
「本当にブルースっていい人」
ロイスは膝に抱えたベールを弄りながら、過ぎ行くメトロポリスの街並みを振り返る。運転するクラークはこれ以上無いほどのにこやかな表情で同意した。
「ブルースは最高だよ。意地っ張りだけど優しいしね」
「賢くて優しくて男前でお金持ち!――私、ブルースと結婚すればよかった!」
わっと泣き真似をしてベールに顔を埋める新妻に、クラークは慌てるでもなく、太平楽な笑顔で頷いた。
「なら、両手に花だなあ」
愛するロイスと大好きなブルースだ。超人の脳内ではブルースとロイスが結婚するイコール、クラークと離婚という公式は成り立たないらしい。ロイスは新郎に冷たい視線を向けると、溜め息とともに眉間のしわを伸ばした。
「しかもブルースは私を愛してくれているのよ」
「僕も愛しているよ、ロイス」
「私がブルースと結婚したら、彼ぜったいあなたを受け入れないわよ?」
「えええええ!そう?そうなの??」
シートベルトをかっちりとしめた花嫁は乱れたハンドルさばきの影響も最小限に留め、冷静に指摘した。
「クラーク。あなたあの真面目なブルースの性格からして、妻に不誠実な行いをするはずないでしょう?」
「ああああ、そうかあ!そうだよねえ……。………。………。あれ?」
クラークはハンドルを変形するほど握り締め、恐る恐るロイスをみた。
「あの、もしかして、気づいてる、の?」
「あなたがブルースと深い仲なのは前から知っているわ」
「ええええええ!」
クラークの頭の中は浮気をしているという事実よりも、ブルースに殺されるということでいっぱいで、それを見たロイスは溜め息をついた。
「私がブルースを選んだら、ブルースは絶対二度とあなたとそんな関係にならないわ。でも、私があなたと結婚したら、あなたそんなの気にしないでしょう?」
「うん。考えたこともなかったよ。ブルースが気にするから君に言わなかっただけだし。君は世界で一番大事な女性だし、ブルースは大好きな人なんだ」
もう知られているなら隠すこともないのだと思うと急にクラークは生き生きとし、ロイスはブルースに同情した。
きっとあの真面目な男は悩んで悩んで、落ち込んでいるに違いないのだ。彼は禿げたら私ではなく、このクリプトニアンの所為だと言わないと、とロイスは執事への言い訳を色々と考えた。
それからハイウェイでガソリンが切れるまでロイスはブルースのどこが可愛いかを延々と聞かされ、結婚初日にロイスは本気で離婚を考えたが、しかし一生懸命段取りしてくれたブルースに申し訳なく、思いとどまったのだった。
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